糸を結ぶ手が震える
社交不安障害って何?
社交不安障害とは社会不安障害や社会恐怖とも言われアルファベット表記ではSAD(social anxiety disorder)と表記される。あがり症とも言われる。
私にとっての社交不安障害
私にとっての社交不安障害ではどんなことがあるのかと言うと次のようなことがある。
人前で文字が書けない
- 役所で書類を作る時
- カーディーラーで書類を作る時
- クレジットカード伝票にサインをする時
- 釣り場で住所・氏名を記入する時
釣り場で糸を結べない
- 毛ばりに糸を結べない
- ロッド(釣竿)にライン(糸)を通せない
美容室でPayPay払いが上手くできない
社交不安障害って人前での作業が苦手なんじゃないの?私の場合人前じゃなくても緊張する場面はダメみたい。
そもそも社交不安障害とは何か
詳しく書くと他のサイトのコピーになってマズイので、おおまかに書いてみる。
社交不安障害は社会不安障害や社会恐怖とも言われ、人前で話をしたり食事をする、または電話をかけることに恐怖を感じる症状だ。
苦手な状態
- 人前で話す、発表する
- 人との雑談
- 人との飲食や会食
- 人前で字を書く
- 電話対応
- 美容院
- 宴会、合コン
- 会計時に財布からお金を取り出す
- 趣味の釣りで糸を結ぶ
こんなシチュエーションが苦手だ。
身体の状態
- 胸のドキドキ
- 息苦しさ
- 手の震え
- 声の震え、うわずり
- 手足の震え
- 腹痛
- 口の乾き
- 発汗
- のぼせ
身体症状には以上のようなものがある。
治らないの?
社交不安障害は治る、もしくは症状を改善させることの出来る病気だ。治療法には薬物療法と心理療法のふたつがある。希望を持って取り組みたい。
薬物療法
SSRIという抗うつ剤や抗不安薬を用いる。医師の処方で治療を進める。私は双極性障害でもあるので(というかそちらがメイン)SSRIは使えない。躁状態になる可能性があるからね。ちょっと残念だけどね。
心理療法
認知行動療法と言われる療法や曝露療法と言われる療法を行なう。
認知行動療法は認知の歪み・思考の歪みを矯正していくことだ。平たく言えば物ごとの見方を変えることだ。1か100かではなく50もある、また白か黒かではなくグレーもあるといった具合だ。
曝露療法は苦手な状況に飛び込んで、徐々にその状況に慣れていくことを目標にする。私の場合だと人前で文字を書くという状況を作り出して、実際に文字を書くという訓練が考えられる。また、釣りに行って糸を結んでみる訓練が考えられる。
治療してどうなったのか?
私の場合は薬物療法が出来ないと述べてきた。ではどうしたのかと言うと、もう1つの療法=心理療法を行った。
認知行動療法は一応行ったと思うのだが、際立った成果を感じなかった。認知行動療法は双極性障害の治療には役立ったと思うのだが、社交不安障害の治療にはあまり役立たなかった。もちろん私の場合にはなのだが。
曝露療法はどうだったのか?これについてはハッキリと言いきれはしないのだが、役立ったと思う。一時期はほとんど症状も出なくなった。しかし、時おり社交不安障害の症状が顔をのぞかせる。
具体的に言うと曝露療法の取り組みとして大きくは2つ行った。
1つが銀行に行って両替をするというものだ。伝票に記入して窓口に提出するという、社交不安障害の当事者にとってはハードルの高いものだ。これは当事者が行ってみると分かるのだが、銀行に入るだけでも足がふるえる。
もう1つは大勢の前(多分20人くらい)で文字を書くというものだ。ホワイトボードに私の名前を書くという簡単なものだ。だけど私にとっては困難なワークだ。
これらは以前通っていた復職リワーク(デイケア)で私が取り組んだ方法だ。デイケア仲間や担当の臨床心理士の先生に助けられて行った。まずまずの効果があったと思う。
釣りに関して
私は趣味でフライフィッシングを行っている。フライフィッシングは釣りの1つのジャンルだ。当然のように釣りばりや糸を結ぶという行為がある。これが出来ないと釣りが成立しない。
山の中まで2時間以上かけてドライブして、手の震えで糸が結べずな帰ってきたこともある。
これに対しては、やはり曝露療法しかなかった。まずは自宅でいろいろな物を釣り糸で結んでみた。家で結ぶ事はさほど困難ではなかった。という事はやはり極度の緊張感にさらされると震えなどの症状が出てくると考えられる。
家である程度出来るようになってからは、実際に釣り場に行くようにした。私の行く釣り場は有料の管理釣り場が多い。つまり人もそこそこ多く、あまりモタモタしにくい状況にある。そこで糸を結ぶのは結構なプレッシャーだ。
だが、何度か通ううちに出来るようになってきた。
治ったのか?
結局私の社交不安障害は完治したのだろうか?私の気持ちは治っていて欲しいと思う。だけど完治はしていないと思う。
何故そう思うのかというと、普段あまり行かない所で氏名・住所の記入では未だに書けないことがあるからだ。例えばカーディーラーへ出向き納品書に署名する時なんかにもの凄く手が震えてしまったりする。結局書くのだが冷や汗ものだ。
このように完治はしてないけど、いい方向に向かっているのは気分的に良い。少しずつ自信を持てるようにしていきたい。